五.

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「シン、シン。シン」  がくがくと体をゆさぶられる。気付けば、あの高台にある展望台で、クータがシンの両肩をつかみ、揺らしていた。リゲルとベテルギウスですら心配げな表情でシンを見つめている。 「どうしたの? 大丈夫かい?」  ようやく目線があったことに安堵したクータが尋ねた。 「え……?」 「なんだか、ぼうっとしてたから。焦点があってないっていうか」 「いや……。なんでもないよ。大丈夫」 「そうか? 無理はしないでくれ」 「うん……」  それ以上いえず、とりあえずうなずいておく。クータはリゲルとベテルギウスのほうをふりかえった。 「それで、話の続きだけど。二人はシンのこと、どう見る?」
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