五.

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「どうとは? 子供だろう」 「そうね、リゲルに同じく。ここに来るには早い気もしますが、おかしくはありません」  自分自身について、シンからは何も話していないのに、二人にはお見通しなようだった。 「見たところ迷子っぽいな」 「行き先を間違えているのでは?」 「いいや、行き先はココだった」 「僕、迷子なの? え?」 「ああ。なんでここにいるかわかってねえんだろ、それを迷子っていうんだよ」 「わたくし達には、星の加護がありますので、聞かなくても分かるのですよ。あなたの置かれている状況というものが」  まるで超能力のような力を持っているようだ。 「……確かに、分かりません。ここにいる理由も、どうやって星見列車に乗ったのかも」 「クータさんは、教えてあげないんですか?」 「俺が教えたところで、本人が覚えてないんじゃ意味がない」 「そうかもしれませんけど……」 「クータ、知ってるの?」  しまった、といわんばかりに、クータが黙り込む。
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