1人が本棚に入れています
本棚に追加
「なら、北斗星宮にしよう」
「さすがクータさんですわ」
「えー、俺の負けかよ!」
「勝ち負けないから」
すかさずツッコミをしておくことで、言い合いになるのを防ぐ。
「それに、北斗星宮にはシリウスがいる。彼は不思議な人でね、誰とでも、どんな話でもできる。君も、彼と話せば思い出せるかもしれないから」
「どこにいる人がどんな人かを網羅してるなんてさすがだな!」
「気が遠くなるような年数やってきたんだから、知らないほうがおかしいよ」
「おかげで、私達はすっかり慣れましたけど。クータさんのお仕事は素晴らしいから」
車掌であるがゆえの知識や、車掌として星見列車を運行していることを褒める様子を見て、シンの目が星のように輝く。
「そんなふうに言ってもらえるなんて、すごいね」
「……そんなに瞳を輝かせないでよ」
珍しく戸惑ったように彼が言う。そして、小声で付け加えた。
「調子狂いそうだから」
うまく聞き取れなかったシンが
「え?」
と聞きなおそうとするも、クータはぷいっとそっぽを向いてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!