六.

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 改札へと向かうと、降車時に対応をしてくれたミシャが立っていた。 「あ、お二人とも、おかえりなさいませ!」  その笑顔に、やや気持ちが沈んでいたシンもクータの表情が明るくなる。特にクータは、いつもの調子に戻ったようだった。 「北斗星宮に行くことになった。切符出してあげて」 「承知しました!」 「俺は先に列車に乗るから、シン、ホームで」 「うん!」  じゃ、とクータは足早に改札を通過しホームへと行く。その姿を見送りながら、ミシャが両手を差し出した。 「それではシン様、乗車券をお預かりしてもいいですか?」 「あ、はい。お願いします」  切符ホルダーから取り出し、ミシャに渡した。彼女はモニターを手早く操作する。
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