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さて、これより数年後の話。アルケイデスは逞しい少年へと成長していた。数々の英才教育を受け「神の子だ!」「英雄だ!」と、称える声も増えてきた。そんな中、琴の教育を受けている中、事件が起こる。なんと、アルケイデスは琴の教師であるリノスを殴り殺してしまった。レスリングや弓と言った武術の教育に比べてやる気が無く、琴に対して真面目に取り組んでなかったことでアルケイデスはリノスにポカリと殴られたのだ。その瞬間、ヘラがアルケイデスに狂気を飛ばして癇癪を起こさせリノスを殴り殺すように仕向けたのである。アルケイデスは「ああ、なんてことをしてしまったのだろう」と、激しい後悔に苛まれる。ヘラはそれを見て「これからはアルケイデスに狂気を飛ばして苦しめてやろう」と、今後の嫌がらせの方針を固めるのであった。
しかし、事態が一変する。なんと、リノスが頭を押さえながら起き上がったのである。
「痛いじゃないか! アルケイデス! 琴は奏でるもので人の頭を殴るものではないぞ! 罰として楽譜の書き取り百枚だ!」
アルケイデスがリノスの頭に叩き込んだ一撃は頭蓋骨が陥没し、即死に至る程の威力を誇る。しかし、それをくらったにも関わらずにリノスは生きていた。
この時点で、世界の理が狂っていたことに気がつくものは…… 今は誰もいない。
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