14人が本棚に入れています
本棚に追加
朝日は二人を照らす
気がついたとき、目の前にはアベルの顔が広がる。目を開けたその顔はふわりと花が咲くように笑みを浮かべ、今度は俺も自然と笑うことができた。
「おはよう」
「ああ、おはよう」
顔を合わせ、言葉を交わす。普段、何気なくやっていることがこんなに愛おしいなんて。心を満たしていく愛に、二人は無言で抱きしめ合う。
――おめでとう、おめでとう。
どこからか聞こえてきた祝福の声とともに、頭上からひらりと花びらが舞い落ちてきた。
最初のコメントを投稿しよう!