迷子

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「そう(おこ)るな。ここもなかなか快適だぞ。菓子(かし)や茶も出してくれるし。童心にかえって遊ぶのもたまにはいいな」  子供なのに、どこか達観した物言い、落ち着いた雰囲気(ふんいき)。 「あのー……こちらの方でお間違(まちが)いないですか?」  少女に確認(かくにん)したが、答えたのは男の子の方だった。 「ああ、間違(まちが)いなく(わたし)の家族だ。ありがとう、世話になった」  ぺこりと頭を下げる。  少女も、 「本当にすみません、ありがとうございます!」  と、深々と何度も頭を下げて言った。
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