迷子

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「あれ? そのお名前のお子さんなら先ほど来られましたよ」  少女の声を聞いたもう一人(ひとり)の男性スタッフが、子供に見せるDVDを()()えながら言った。 「ちょっと待っててください、呼んできますから」  言って、パーテーションの(おく)へと消えていく。  しばらくして姿を見せたのは、少女――由衣羅(ゆいら)の言った特徴(とくちょう)の男の子だった。 「よう、お前も迷子(まいご)になったのか?」  あっけらかんとして由衣羅(ゆいら)に手を()る少年。
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