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「ショート、いいよ
見慣れたら可愛いね」
大きくて暖かい手が
理世の首を、後ろからちょっと触る。
まるでもう、
今夜の愛撫が始まっているような繊細な動き。
痛々しいほどの男の若さだった。
全く人目を気にしない泰章の言動が
いつも理世をちょっとためらわせ、喜ばせもする。
「なによ、髪切ったら、あんなに怒ったくせに」
笑って振り返ると
泰章は本当に困ったように瞼をしばたかせた。
「だって、俺…
理世の長い髪がめちゃくちゃ好きだったからなあ」
そう。背中の下のほうまで伸ばした
ロングストレートの髪が
理世の自慢だった。
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