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そこにいたのはメイド服を身に纏った女性だった。
私の絵を背後から覗くように立っている。
「ああ、ありがとうございます・・・」
なんとかそれだけ返す。
失礼だがあまりにも存在感が空気だったため驚いたのだ。
「この森を描いてるのね」
「ええ、そうです。ただどうにも暗い雰囲気になってしまって・・・」
そう返しながら私の頭には疑問が浮かんでいた。
彼女はメイド服を着ているが、この辺にメイドさんが仕えるような大きな邸宅はあっただろうか?
「ふふふ、まあデリング・ウッズですもんね。」
「どうゆう意味ですか?」
メイド服の彼女は微笑を浮かべた。
「あの森をね、よく見てみて下さい。」
視線を前に向け目を凝らしてみるが、何も分からない。
「何かがいるんですか?」
「あそこにいる子供がね、笑ってると思いません?」
「え?」
「この森は呪われてますから。」
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