とんび

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とんび

晴天にはとんびの姿がある。それは自明のことである。 なぜならとんびは雲を吸い、翼を動かす動力とする。 この世に唯一の鳥であり、鳥類随一の鳥である。 嘘だと疑るのであれば、抜けるような青空を見よ。 果てのない蒼空にはとんびが飛び、雲を食べては鳴いている。 自分のために空を駆け、日がな一日舞っている。 とんびとは、そういう鳥である。
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