あいつ

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あいつ

 あいつはいつも、ガラス越しにあいさつをしてきた。  声は聞こえなくてもわかる。おはよ、とか、またな、とか。  俺が乗る駅よりひとつ学校に近いのがあいつの最寄り駅だった。  何故かいつも、ドアが閉じた状態で言うのが、不思議といえば不思議だった。
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