すきのカタチ

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すきのカタチ

   もうすぐ季節は春から夏へと変わる。その中間地点である今日。  朝、雲ひとつない快晴のもと自分の通っている高校へと登校していた。そして、いつものように授業を受けて、いつも通りの放課後を過ごしているはずだった。  午後を過ぎたあたりから天気は晴れから曇りになり、そして、今現在。俺が横たわっている河川敷の土手には体で感じることができる程度のよわく、まるで、体を撫でるような優しい雨が降っていた。  高校一年で俺は早くも失恋をした。  きっかけは、好きな女子生徒と理科の授業で同じグループになったことだった。いつになく、いい雰囲気になった俺は、そのことを昼休みの時に高校に入ってから仲良くなった男友達に話したら、「脈があるに違いない!」という話になり、時期的にも夏休みを前にしていたことも相まって、今告白しないでいつ告白するんだという流れになった。  男友達がはやし立てたことはもちろんあったが、俺自身確かに今告白しないでいつ告白するんだという思いはあった。  そして、放課後にその女子生徒を呼び出して告白したが、結果は惨敗。あえなく、俺は高校生初の失恋をした。  その様子を物陰から見ていた俺の男友達たちは、そんな俺の姿を見て、「大丈夫、大丈夫」、「まだまだこれからあるよ」などと、慰めてくれたが、その時の俺にとってその言葉はただの雑音にしか聞こえなかった。いや、それどころか俺のことを嘲り笑っていたようにしか思えなかった。
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