2人が本棚に入れています
本棚に追加
ポタポタと落ちる汗を拭っては水筒を手に取り、再び汗と口元を拭う。
そんなことを何回か繰り返している時だった。
「来た!」
砂漠を走る黒い影。 彼女は双眼鏡の倍率を上げた。
モウモウと土煙を巻き上げながら、地面から1メートルほど空中を浮いて走る車。
運転しているのは爬虫類タイプの異星人だ。
データベースにアクセスしてその男を検索する。
双眼鏡の画面には指名手配書のデータと共に、誤合致率99.666%の数字が映し出された。
「はい、ビンゴ!」
彼女は慣れた手つきで防塵、防風用のカラスマスクと、革製のグローブを装着した。
そして、横に止めてあるバイクに跨りスターターボタンを押す。
「ウィーン」
電子音と共にバイクが地面から少し浮いた状態で留まっていた。
最初のコメントを投稿しよう!