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「しっかし、高校生になってまで天気模様を人のせいにするとか、ガキくせぇ奴らだよな。つーか、このネタいい加減飽きろっての!」
「……今年は高校最後の文化祭だったから。皆気合入ってたし。去年に続き、今回も…だしね。やるせなさをどこでも良いからぶつけたかったんだと思う」
「まあな。そういや、去年美雨音と同じクラスになってからだよな。行事が悉く雨になるっての」
「神成迅と天野美雨音がいると、体育祭も修学旅行も文化祭も雨雨雨…。否定はしないんだけどね」
「ひでージンクス。俺なんて読み方がカミナリなだけだしな」
「ふふっ。でも今年の体育祭、確かに雷すごかったよね」
「たまたま時季だろ、時季!」
クスクスと二人で笑い合う。
いつからだったろう。こんなにこの時間が愛おしく思えたのは……。
『あーあ、誰かさんのせいでまた雨かよー』
背後からわざとらしく聞こえた男子のヤジに思わず肩がすくんだ。
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