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「……修学旅行で、初めて話したの、覚えてる?」
「うん…」
「あの時、皆雨に当たって結構濡れてたじゃん?」
「うん?」
「美雨音の髪もかなり濡れててさ」
「……そう、だったかな?」
「濡れ髪がかなりエロくて……そそられました!俺」
「はぁ。ー…はあぁ!?」
思わず聞き返す。さっきまでの胸の高鳴りは急に降下を始めた。
「あ、怒った」
「お、怒る…っていうか、なんか!うん、怒るよ!!」
思わず立ち上がった私を見て、迅はケラケラとお腹を抱えて笑っている。
「そういうとこ!」
「え?」
「あの日、話さなかったら、美雨音は物静かな大和撫子って印象しか持たなかったんだよな」
「へ?」
「話してみたら結構笑って表情豊かだし、成績は思ったより良くなかったし、案外毒吐く時は容赦ないし……」
「私、ディスられてる?」
「違う違う。あの日、雨男っていじられたの利用して、美雨音に話しかけて良かったってこと」
「……」
「まだ分かんない?一目惚れが、今じゃガチ惚れってわけ」
「嘘……」
「嘘じゃ…ー」
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