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私はたちはロビーに着き、一番奥の席に着いた。
男はしきりに入り口を気にしている。
「あの、向井さんでしたっけ?どういうつもりですか?」
「急にすみません、あの名刺は同僚のものです。」
「え?あなた一体何なの?」
「あの場で名前を名乗るのは危険かと思って…つい嘘をつきました。すみません。
あなたの車の同乗者の様子がおかしかったので……。」
「同乗者って?私一人で通勤していますが。」
「やっぱり…。」男は考え込んでいた。
私は意味が分からなかった。この男は何なんだろう。
「な、なんなの?警察呼びますよ。」私は、震える声で言った。
「その方がいいかもしれないです。」男はそう言った。
「どういうこと?いいんですか、本島に警察呼びますよ。」
「信じてもらえるかわからないですが、
あなたの車の同乗者が、その…ナイフを持っていたんです。」
「何言ってるんですか?同乗者なんていません。そんなことあるわけないでしょ。」
ロビーの自動ドアが開いた。
「先輩、おはようございます。あれ?今日はフリースペースにに行かないんですか?」
「おはよう、ちょうど今から行くところよ。それでは失礼します。」
私は男を振り払い、後輩と急いでフリースペースに行った。
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