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泡だらけの男の手で腹や胸を撫でられるのは勿論俺も初めてで、女の子とはまた違った、大きな手の感触についつい緊張してしまう。
……な、なんだこれ。なんか、石鹸でぬるぬるしてるから余計にやらしく感じる。
「や、ちょっと伊織……っ」
「ごめん、もうちょっとだけ」
そう言いながらも、背中に密着して来てはより手付きがエロいものに変わっていく。
伊織の長い指が乳首をかすめ、そこを何度も弄られる。そんなところ、彼女にだって触ってもらった事が無いのに、なぜかもの凄くエロい気分になってしまうのだ。
……ヤバイ。そんなとこばっかり弄られたら……。
「……晴弘さん、気持ちいい?」
「っ……?」
「前、すげぇ勃ってる」
耳元で囁く色っぽい声に、俺は腰が抜けそうなくらい感じてしまっていた。
……ああ、ちくしょう……一週間抜いてなかったから、我慢出来ない。
俺は人肌の熱と伊織の色気に抗えなくて、自分の手で勃ち上がっていたそこに指を絡めた。ついでに石鹸の滑りなんかも相まって、いつも以上に自慰が気持ち良く感じてしまう。
「……んっ……っ、……ふ……ぅ……っ」
恥ずかしいからと、出来るだけ声を抑えていたつもりだった。だけどそれが余計に伊織の性欲を掻き立ててしまったらしく、背中に感じていた圧が更に俺の身体を押して来る。
「……晴弘さん……だからダメだって、その我慢するような顔」
「……っ?」
「すげぇエロいから、俺もやめられなくなる」
伊織は俺の手を掴むとそこから外してしまい、もう一度壁に手を着かされてしまう。それから耳元で「手、ちゃんと着いてて」なんて言われて、彼の両手が俺の太ももをキュッと寄せては、後ろから内股に何かが挿し込まれる。
「え、うそ……伊織っ」
「ごめん。でも、これは晴弘さんが悪い」
そう言うと、彼は容赦無く腰を振り始めた。
太ももの間を、伊織の硬くなった大きな竿が俺のソレと擦れるように何度も出入りを繰り返す。後ろへと突き出した尻たぶに彼の腰がぶつかると、風呂場にはパチュパチュと卑猥な音が鳴り響き、俺達は更に興奮して歯止めが効かなくなってしまっていた。
「……あ、あっ、うそ……っ……伊織、……んあ!」
「やば……っ……晴弘さん……気持ちいいっ」
擦れてる部分が熱くって、ジンジンと心地の良い痺れが下半身を包む。
俺は既に理性を飛ばしており、ただただ快楽の波にのまれていくだけだった。
……気持ち良い、けど……物足りない。
竿を擦られるだけじゃあ、やっぱり満足なんか出来ない。でも、片手を離してしまえば伊織の体重を支えられる自信も無いし、どうする事も出来なかった。
一人悶々としていると、急にピストンが速くなる。太ももを掴む手にも力が入り、伊織の唸るような声が聞こえて来た。
「ん……っ出すよ……!」
「っ!」
直後、脚の間から白濁液が勢いよく飛び出し、浴室の壁を汚す。
どうやら伊織が先に達したらしく、背中にもたれ掛かって来ては荒い呼吸を繰り返していた。
「はぁ……あ……ごめん、晴弘さん……イっちゃった」
太ももに挟まれているソレはビクビクと痙攣しており、俺の竿を下から支えるくらいにはまだまだ元気であった。
俺は涙目で伊織を睨み付けては、理性が飛んだ頭のままで文句をぶつけてしまう。
「バカ!俺、まだイってないんだけど!」
「……え?」
「伊織ばっかりズルい!俺だって……」
俺だって、気持ち良くなってイきたいのに。
一週間だぞ?クソ上司のせいで彼女に振られて、いや、それ以前からレスは続いてたけれどもっ!
久しぶりの人肌は、今の俺にとっては麻薬も同然だったのだ。
恋人でもなんでもない伊織とこんな事をして、本当ならやめるべきなのに、今はやめたくないと強く思ってしまっていた。
それに応えるように伊織のソコがまた大きく膨らむのを感じて、今度は彼の手が、俺達二人の竿をまとめて握り込む。
「……ごめんね?じゃあ、今度は一緒にイこっか」
「んあっ!」
伊織の大きな手が、気持ちの良いところを的確に刺激してくれる。指先が鈴口をぐりぐりと弄れば電流のような快感が背骨を這い上がり、脳が喜んでいるのを感じた。
……気持ち良い。こんな気持ち良い事、俺は知らない。
そんな事を思っていると、不意にまた、伊織が呟く声が聞こえた。
「……すっげぇ……初めてだ……っ」
「……っ?」
「初めて……気持ち悪いって思わずに、触れた……」
甘く切ない声色を聞いたのが最後、俺は絶頂を迎えると共に意識をも手放してしまっていた。
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