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鬼と人が暮らしていました
<お兄がいなくなるまであと4日>
「母さん、おかわり!」
「はいはい、菫はたくさんご飯を食べるようになったねえ」
そう言いながら、お母さんは、お兄のお茶碗に山盛りのご飯を盛った。
ホカホカとあたたかな湯気が出て、私もついついおかわりが欲しくなってしまう。ごくん、とつばを飲み込んで、ダイエットの為よ、と我慢する。
最近は着物や袴の帯をしっかり締めるように気を付けているのだ。もう私も12歳、立派なレディだから。
そう思って、代わりに茄子の漬物をぱくり、と口の中に放り込んだ。茄子なら太らないだろう。このお腹の空き具合なら、あと10個はいける。
もぐもぐと咀嚼を続ける私に気づいたお兄は、これ以上私が食べ過ぎないようにと漬物の蓋をそっと締めた。
「小梅、食べ過ぎ」
チッ。
行き場のなくなった私のお箸の先端は、めげずに今度は芋の煮付けに向かった。
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