鬼と人が暮らしていました

4/47
前へ
/619ページ
次へ
「ね、小梅のお兄ちゃん、鬼になるんでしょ!?」 「俺、サイン貰いたい~」 カッコいい! シビれる! と笑いあっているのは、蘭の妹で、蘭にそっくりな猫目の持ち主、彩夢。歳は私より2つ下の10歳。 そして、蘭と同い年の向日葵。 男のくせになよっちい、といつも蘭に貶されているけれど、にこにこ笑って優しい向日葵は、まさにその名前にぴったりの性格で、良くぶつかり合う蘭と私の間に立ってくれる。 「あんたたち、私じゃなくて、お兄に会いたかったんでしょ」 「俺が、どした?」 そこにひょっこりと顔をのぞかせたのは、お兄張本人。 「ひゃああ、菫さん……!」 途端に態度が変わる3人に、はぁ、とひとつ溜息を吐く。まったく、都合が良いんだから。 「俺、菫さん尊敬します。17歳で鬼なんて、凄いです」 「ありがとう、蘭」 「俺も、鬼になれるように頑張ります」 「俺も!」
/619ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加