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「ね、小梅のお兄ちゃん、鬼になるんでしょ!?」
「俺、サイン貰いたい~」
カッコいい! シビれる!
と笑いあっているのは、蘭の妹で、蘭にそっくりな猫目の持ち主、彩夢。歳は私より2つ下の10歳。
そして、蘭と同い年の向日葵。
男のくせになよっちい、といつも蘭に貶されているけれど、にこにこ笑って優しい向日葵は、まさにその名前にぴったりの性格で、良くぶつかり合う蘭と私の間に立ってくれる。
「あんたたち、私じゃなくて、お兄に会いたかったんでしょ」
「俺が、どした?」
そこにひょっこりと顔をのぞかせたのは、お兄張本人。
「ひゃああ、菫さん……!」
途端に態度が変わる3人に、はぁ、とひとつ溜息を吐く。まったく、都合が良いんだから。
「俺、菫さん尊敬します。17歳で鬼なんて、凄いです」
「ありがとう、蘭」
「俺も、鬼になれるように頑張ります」
「俺も!」
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