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天使の剣
「あ~ら!ごめんなさ~い!」
天使の顔をした小悪魔は笑う。
突き刺していくのは、酸化鉄製の心。
(あれは、全然痛みを感じなかった。)
痛くない。 ただ、どこからか、何か黒いものが流れていくだけだった。
それよりも。
「ね?あたし、悪い子だから。」
そんな風に、傷ついた顔をして放つ、天使。
その輝く銀の剣で突き刺した、暑く燃える何か。
(辛い。痛い。苦しい)
何故傷ついたような顔をするの?
溢れていく。君へと
君の罪悪感が、その真っ白な羽を染めていく。
「さようなら」
ありえない。
いくら家族のためとはいえ、あの人を刺すだなんて。
私は、 ひどい人間だ・・・…―――
黒く染まったこの羽を、あなたの想いで美しく染め直してくださいませんか?
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