rainy memory

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rainy memory

「ねえ、覚えてますか?」 三年前のあの日。  あの、うだるような、暑くまぶしい日。 じっとりとした雨の日は、あれほど鬱陶しく思っていたのに。 覚えていますか? 私があなたに恋をしていたこと。 雨の日だけしか 現れないから。 私、雨が大好きになっちゃったみたい。 雨にすける絹のようなブロンド。 高くきれいな鼻筋。 バス停にぶつかるほど高い背。 そして。 会う度に歌ってくれた ラブ・ソング。 クイーンズイングリッシュが、私の耳をくすぐって。 そのたびに、あなたを、好きになった。 『傘も差さないで、寒くないの?』 なんて、可愛くないことを言うと、 『だって、オレがいなかったら、イチは合格できないでしょ?』 なんて、おどけたように笑ってたね。 でも、今だったら言えるよ。 「あなたが、また、出てこなくてすむくらい、英語 上手になったん…だから、ね?」 ちょっと涙混じりに言ってみる。 あ~あ。 素直になるって、決めたのに。 「I love you, very much 」
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