9人が本棚に入れています
本棚に追加
Like a princess
『おいで、レイラ』
あなたはいつも、私を大切にしてくれた。
あの、暗くて狭い部屋から、連れ出してくれたの。
誰もが寝静まった、11時。
ふたりで大広間を抜けて、裏庭を駆ける。
静かに見守る木々のもとで、二人だけのパーティーをした。
あの時。 あの瞬間だけ。
私は誰にも縛られない、『お姫様』になれたの。
「あ~らら。こぼしちゃった! ごめんなさいね?フフッ」
ほら、今日も。
掃除を一人でさせられたって、悪口を言われたって。
頑張れるの。
気高く、美しく。
あの時、あなたがかけてくれた魔法は、 まだ解けてない。
最初のコメントを投稿しよう!