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優しさの縁、君に尋ねむ
柔らかな、緑が、髪をさらって行く。
美しいカーブを描いた頬が。 ツンとした鼻筋が。
長いまつ毛の落とす、その青い影まで。
全部、僕のものになってくれたら。
そうしたら、よかったのに。
僕はかつて、君の大好きだった、あの幹に、そっと寄りかかる。
君は今、どこで何をしているんだろうか。
あの人と暮らしているんだろうか。
それとも、眠っているのだろうか。
それとも、もう僕の中からは消えてしまったのだろうか。
僕が願うのは、ただ一つ。
「願わくば、君が、幸せでありますように。」
潤んだ瞳は、気づかなかったことにしよう。
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