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「な、なんでここに…、便所に行ったんじゃ…!」
指を震わせながら、レゴンを差した。
だが、キシュタはレゴンの後ろにいる、少年に目がいった。
「おい、レゴンそいつは…?」
レゴンは指さす方に振り返り、何故か納得したようにまたキシュタの方を向いた。
「あぁ、さっき便所に行った後、なんか変な人に絡まれてたから、助けてその場でお礼言われて戻って……、ん?なんでいるの?」
連れてきていたと思っていたキシュタだったが、レゴン本人ですら連れてきていたことを…。
いや、連けられていることに気づいていなかったことに、キシュタは大きなため息をつき呆れた。
昔から、レゴンは少し抜けているところがあると思ったが、まさかここまでだったかと、頭を抱えた。
「どうした?キシュタ。」
何かあった?と、知らん顔をするように俺の顔を覗きこんでくるレゴンに対し、キシュタは怒りが爆発した。
「お前は、なんでこうなんだよ!?少しは、背後くらい気にしろよ!?それでも、お前は男かよ!!」
止まりたくても止まらない怒りの言葉は、次々と出てきて、永遠と黙々と説教が始まった。
そして、息が切れるくらい長々と続き、言うことがなくなったのか、椅子に座り落ち着くと、
「はははっ!大丈夫だよ!何とかなるって…!」
「何とかなるなら、お前がこいつを何とかしろよ!」
突っ込みを入れるように、キシュタはレゴンの胸元をビシッと叩く。
「あ、あの!!」
背後にいた、少年が前の方に出てきた。
少し背が小さくて、深く帽子を被っていて、格好はいたって普通だった。
「あぁ、なんだチビ。言いたいことがあるんならはっきり言え。」
キシュタは、冷たい目線を向け、少年に話しかけたが、そのまま黙秘を続け始めたのだ。
そして、時計の秒針が進み、時間だけが過ぎていく中、キシュタのイライラは徐々に加速していった。
「…少年、いつまで待っていればいいのかな?」
キシュタの笑顔が、気持ち悪いかつ怖い表情になっていて、ひたすら足踏みをしていた。
「兄貴―!!レゴンがどこにもいませ…、ん?ここにいるじゃないですか!?」
レゴンを探しに行っていた、子分が帰ってきたので、これは去るチャンスだと思い、キシュタは少年に対して、背を向けた。
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