令嬢は指名手配者で騎士を目指します

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「少年。私たちは、行くとするよ。じゃあ!」 やっと息苦しい場所から抜け出せたと、キシュタはため息をついた。 ここにずっとい続けると、ある意味アレがバレそうで怖いしな…。 そう言い、レゴンの背中を前へ押し、店内から出ようとした。 「ま、待ってください!!」 そう言い、少年はキシュタの羽織っていたマントを思いっきり掴み、引き留めた。 「お、おい、離せ…!!」 「嫌です!離しません!!」 そう言い、少年は力強くマントを引っ張り続けるが、それに逆らおうと、キシュタは前へと進み始めた。 「お前は何をしたいんだ!?」 キシュタは、大声で問いただすと、 「……、本当に言っていいんですか?」 すると、そのセリフにキシュタは大きなため息を再びついた。 「いいか?別にお前が言ったところで、何も変わらんだろうし、とりあえず言ってみろ。」 「じゃ…、じゃあ。遠慮なく。」 少年は、緊張しているのか、少し静かに深呼吸をした後、口がゆっくり開いた。 「騎士様、私をどうか騎士にしてください!!!!お願いし…、!?」 キシュタは、少年の口から次に出る言葉を封じ込めるように、口元を手で押さえた。 「あ、あぁー、少年。少し場所を変えようではないか!」 俺は、少年を担ぎ、逃げるように店を出た。 「ちょ…、離してください。騎士様!」 「お前、ちょっと静かにしてくれ!!俺たちの存在がバレるのは、本当に困るんだよ…!」 そう言い、俺たちはとりあえず人と気のないところまで、全力でダッシュでした。 それから15分後―。 「こ、ここまでくれば大丈夫だろう。」 そう言い、キシュタは担いでいた少年を下した。 「で、なんでお前が俺たちの正体を知っているんだ?」 「え、それは……。」 少し戸惑った様子を見せる少年をみて、キシュタは更に、疑いの眼差しを向けた。 「今は、言えません!!」 そう言い返すと、少年は頬膨らませ、また黙秘を続けようとしていた。 「あー、分かった。もう無理に言及はしない。」 「本当ですか!?じゃあ、僕を騎士に…!」 その次の言葉を予測していたのか、キシュタは少年のおでこにデコピンをした。 「いった…!!何するんですか!」
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