令嬢は指名手配者で騎士を目指します

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「いいか!?騎士は、なるって言ってなれるもんじゃないんだよ!!」 俺は、強い口調で言い、少年の胸襟を掴んだ。 「…、生憎、少年を殴る趣味はない。分かったら自分の家にでも帰るんだな。」 そう言い、手を離そうとすると、少年は離そうとしていた手を掴んだ。 「僕と勝負してください!!」 「はぁ!?勝負!?」 少年は、真剣な表情で真っすぐとキシュタの方を見て言った。 だが、そんな眼差しを向けようと、俺は承諾はできなかった。 ましてや、普通の一般市民に剣を持たせることなど断じて認めることができないと、そう思い断ろうとすると、 「……、キシュタ、勝負を受けてみようよ。」 「レゴン!?」 「その変わり、この勝負に少年が負けたら、僕たちのことは誰にも言わず、二度と僕らの前に現れないことを約束してくれるのならね。」 レゴンは、さっきまでの表情とは違い、いつもの戦っているときの鋭い目つきに変わっていた。 「勿論です。お約束します。」 そういうと、レゴンは少年に自分の腰につけていた真剣を渡した。 「これで、戦うといい。」 「!?」 「騎士になりたいということは、真剣で戦えないと意味がないからな。」 レゴンはそう言うと、少年は剣を抜くと、一旦剣を上にあげた。 「じゃあ、行くぞ!怖くなったらいつでも降参しろよ。」 そう言い、キシュタの顔付きが一瞬で変わった。 あぁ、もう剣を振るうことはないと思っていたのに、こんな形で再び振るうことになるとは…。 キシュタとレゴンは少年の表情を伺ってみると、そこにはさっきまでのオドオドしさが無かった。 剣を持つのは初めてのはずなのに、むしろなんだその構え方は…? 少年は、剣を前に出し、縦向きに持ち、構えだした。 「そんなのどうせ形だけだろ。」 そう言い、キシュタは後ろ足で地面を蹴るように、少年に剣を向け、勝負が始まった。 剣と剣の激しいぶつかり合いと、金属音の音が響き渡る。 手加減はせず、一瞬の隙も与えず、剣を振り続けるキシュタだったが、 「……。嘘だろ。」 俺の動きについていけてる!?
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