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「これが、私の正体であり、騎士様のことを知っている理由です。」
すると、キシュタは昔、仕えていた少女の面影を重ねた。それは、珍しい銀色の髪に周囲が馬鹿にしていて、よく泣く泣き虫な少女。そして、もう一つ、よく騎士の練習を覗きこんでは、一緒に練習までしていた記憶まで思い出した。
「まさか、リレット。お前、あの時からずっと剣の練習を怠らず、一人でやっていたのか?」
「勿論です。だって、練習すればいつか騎士になれるといったのは、騎士様ですから!」
そう言い、満面な笑みを浮かべた。
そんな幼い頃の約束を今までずっと信じ続け、こんな境遇を一人で耐えてきたというのか…!?
それなのに、俺は……。
「リレット。実は、俺たちはもう…。」
俺は、口をゆっくり開くと、それをさえぎるように、レゴンは先に主張した。
「リレット。俺たちと旅をしないか?」
「旅…ですか?」
レゴンの口から出たその言葉に、俺は動揺し口をパクパクさせた。
「俺たち、今は休暇中でこうして旅をしているんだ。もし、行く当てがないなら一緒に
どうだい?」
「…!!!はい、ぜひ一緒に行きたいです!」
リレットは、それは太陽のように眩しいくらい、目をキラキラ輝かせた。
俺は、その輝きに逆らえず、仕方なくうなずき、「いいだろう。」と許可した。
すると、リレットは立ち上がり、深くお辞儀をした。
「改めて、よろしくお願いいたします。もう、令嬢じゃないので、気軽に!ため口で、これからお供させていただきます!」
キシュタは、一気に情報が飛びこんできて、困惑していたが、もう腹をくくるしかないと、手を前に出した。
「こちらこそ、よろしくな。リレット。」
その反応に、リレットは嬉しくなったのか、手を掴み、嬉しさのあまり、上下と腕を振り回しながら握手をした。
あぁ、本当に大丈夫なのだろうか……。
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