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ニート×ニート
★
「なあ、あんたいつ帰んの?」
二階建ての一階、奥、角部屋。そのボロいアパートの一室が俺の家だ。大家は叔父。身内のスネをかじって一人暮らし。
というか追い出されたというか、隔離されたというかなんか、俺は身内に嫌われている。
理由は簡単だ。ニートで働く気がないからだ。
「あー、家が家出したんだ」
「家が家出したんじゃねぇだろ、オメェが追い出されたんだろどうせ」
「そうとも言う」
「そうしか言わねぇよ!」
目の前で天井を見つめながらタバコを咥えているのは、容姿しか取り柄のないクソニートの男だ。
金髪色白顔面良し、そこそこ筋肉質。26歳同い年。頭は弱いが、俺もどっこいどっこいなのでなんとも言えない。
「ここにいるのはいいけどよ…家賃くらい払えよ」
「はあ?お前ここタダっつっただろ?」
「家主は俺な?ここにいたいなら俺のために働け」
そう言うと、そいつはニタニタと下品に笑う。せっかくの顔面が台無しだ。
「オレはお前のために働いてるぞ!」
「働いてんのはオメェのちんこだけだろ!!」
「こいつはオレの一部だろーが!?」
「食えねぇだろそれ!」
「デカすぎて?」
「死ね!!」
思わず頭を叩いた。タバコの灰が飛び散る。
そんなアホみたいな会話をしている俺は、牧 修哉。目の前のアホは雪村 幸太。
出会ったのは一昨日。
いつものパチ屋でのことだった。
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