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「修哉、お前今何時か知ってるか?」
「さぁ…夕方くらい?」
叔父さんの後ろを見やる。空がオレンジ色だった。
「こんな時間までなにやってんだ?仕事は探したか?面接の予定は?」
「んなのあるわけないでしょ」
だってプロのニートだぜ?簡単に働いてたまるか!
「はぁぁぁああ……息子がこんなんじゃあ死んだアニキも報われねぇよ……」
そりゃあスマン。マジで。天国に聞こえてんなら謝るのに。
「んでなんのよう?叔父さんヒマ?」
「なわけねぇだろ!?俺は俺の大事な時間を使ってお前の心配をしに来てやってんの!ほら、ちょい部屋見せてみろ…どうせまた散らかし放題やってんじゃねぇの?」
叔父さんは靴を脱ぐと、俺を押し除けてズカズカと部屋へ入って来た。まあいつものことだ。とても迷惑だが、ここは叔父のアパートだから、俺に拒否権はない。ついでに人権もない。働かない奴はゴミだとよく言われる。
ズカズカと部屋に入って行った叔父さんは、素っ裸でコーヒーを淹れるユキと鉢合わせた。
叔父さんはユキのアソコを見てから(多分あまりの大きさに嫉妬したんだと思う)、俺に目を向けた。
「おまっ!?また男連れ込んでんのか!?」
「連れ込んでない。住み込んでんの、いつのまにか」
「連れ込まれてない。住み込みで面倒みてやってんの、色々」
言葉が被った。叔父さんは混乱して、俺の顔とユキのアソコを交互に見た。
「色々……」
「何やらしいこと考えてんの、叔父さん」
「や、やらしい?ことは、考えてない」
そんな顔赤くして、考えてないわけねぇわな。
ゴホンとひとつ咳払いをして、叔父さんは改めて俺の部屋を見回した。
「あ、あれ?思ったより綺麗だな…」
「オレが掃除してやってんの。オレは有能なニートだからな」
「ほう、君が……ん?ニート?」
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