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「加藤って、見かけによらずヤバいヤツだったんだな」
加藤はバックミラー越しにもわかるくらい、真っ赤な顔をしていた。
「できれば、内密に……」
オレは加藤の赤い顔と、スマホの画面を交互に見た。
着信画面には、車のガラスに頭を押し付けて無防備な寝顔を晒すマキの横顔が映し出されていた。
「大胆な盗撮ですね加藤さん」
完全に尋問する警官の気分だ。ちょっと楽しい。
「マキが可愛いからって、やっていい事と悪い事がありますよ加藤さん。現行犯逮捕ですよ加藤さん」
「いや、現行犯ではないんですが」
そうなの?つか、現行犯ってどゆ意味だっけ?
「ともかく、事情をお教え願えますか加藤さん」
オレは後部座席に腰を下ろし、腕を組んで、ほら、言い訳してみろよ?という態度を全面に出した。
そんなオレに、でも加藤はひとつため息を吐いてから言った。
「可愛いものを愛でて何が悪い?」
「え?」
「こっちは二十年以上見て来たんだよ…産まれてすぐから知ってんだよ…可愛いに決まってんだろ畜生!!」
「……え?」
「んだよチクショーコノヤロー。会うの何年ぶりだと思ってんだよー。それなのにお前なんかと付き合ってる?許せねぇよチクショー金髪猿ヤロー」
バンバン車のハンドルを叩きながら、オレへの恨み言と、いかにマキが可愛いかを語る加藤。
「ちょ、あ、あれ?」
「黙れよお前だけいい思いしやがって…まあ、修哉にそんな気起こしたことないけど」
「ないんかい!」
「あれは鑑賞しているのが一番いい。わがまま聞いてやるのが至福だ」
「加藤さん、オレとはまた違う病にかかってんな」

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