少女と怪異

　怪異とは、怪しくて異様なものを指すのだと思う。

　そこは怪異の町といわれていた。
　いわく、雨がいつまでも降り続けているのだという。
　何年も、何十年も、何百年も。雨がやむ気配はない。
　そしてその町にはもう一つ、いわくつきの話がある。幽霊が出るというのだ。
　雨の中、薄汚れた和傘をさす少年の幽霊が出るらしい。すすけた着物をきた少年に見つかると、いつまでもいつまでも後を追ってくるという。