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「絵里、星を見に行かないか?」
ソファにどっかりと腰を落とし、ホッと一息ついていた亮が急に口を開いた。
「えっ?」
私は持っていた紅茶のカップを落としそうになった。
三ヵ月後に迫った結婚式の準備で、二人共目が回るほど忙しい。今やっと亮の部屋で招待状の送付リストを完成させたところだ。
「ずっとばたばたしていただろ? お盆休みはもうすぐだから。この前、職場で同僚が興味深い話をしていたんだ。ほら、これ」
亮は徐に携帯電話を手に取った。私はカップをソーサーに戻すと、肩に寄り添い画面に視線を落とした。
『ペルセウス座流星群を見に行こう!』
胸の奥で何かがキクンと音を立てた。
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