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リザヴェータが朝起きると、少年のベッドに人はおらず、もちろん犬の気配もしなかった。彼が使っていたベッドは抜け殻で、朝食を持ってきた看護婦は勝手に消えたから知りませんと言わんばかりにベッドを片付けていった。再びリザヴェータはぽつんと一人になる。何事もなかったように。
あの少年は幻だったのだろうか。長い夢でも見ていたのだろうか。
そんなリザヴェータのてのひらで、金平糖のような七つの星と、少女の名前を持つ琥珀色の星がころころと戯れていた。
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