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睦月さんが言ってたように、私がプレゼントしたティーカップと同じものを買いに行ってから、今度はかんちゃんを迎えに行くことにした。 「ずっとさっちゃんを独占しっぱなしじゃ、かんちゃんに怒られそう」 なんて言いながら、睦月さんはかんちゃんを預けたペットサロンに着いて来てくれた。 「じゃあ、外で待ってるね」 車を近くのパーキングに停めてここまで歩いてくると、サロンの前で睦月さんはそう言う。 「えっ!睦月さんも一緒に行きませんか?かんちゃんの妹がいて……」 私がそう言うと、途端に睦月さんはワクワクしたような顔になった。 「かんちゃんの妹?うわぁ、見たいかも。でも、吠えられない?」 「はなちゃんは……大丈夫な気がするんだけど……」 いつもサロンでいろんなお客さんを見ているはなちゃんが、誰かに吠え立ててるところなんて見たことはない。 「じゃあ……行ってみようかな……」 恐る恐るそう言う睦月さんを見ながら、かんちゃんに吠えられるのがよっぽどトラウマだったんだな、なんて思う。はなちゃんでちょっとでも癒されたらいいけど…… そんなことを思いながら、私から睦月さんの腕を引く。 「きっと大丈夫!」 私がそう言うと、睦月さんは笑顔になり「そうだね」と答えた。 サロンの扉を入ると、今日は娘さんのほうが出迎えてくれた。 「あ、お帰りなさい。かんちゃんはとっても元気にしてましたよ?」 柔らかな雰囲気で言うその人の向こう側で、今日もはなちゃんと走り回るかんちゃんが見えた。 「お世話になりました。……かんちゃん!帰ろう?」 私がそう奥に声を掛けると、かんちゃんは頭を上げて私の方を振り向いた。 私の姿を見つけたかんちゃんは、全速力で走ってきてくれ、そしてはなちゃんもそれに続いた。 私の足元まで来ると、かんちゃんは匂いを確認するようにグルグルと回り、それからようやく尻尾を振りながら私の足に登ってキュンキュン鳴いた。 「楽しかった?遅くなってごめんね」 そう言いながらかんちゃんを撫でてから、私はふと睦月さんが気になり振り返える。 そこには、ブンブンと尻尾を振って睦月さんの足によじ登るはなちゃんの姿があった。 「抱っこしてもらっても大丈夫ですよ」 娘さんに微笑みながらそう言われて、睦月さんは「いいんですか?」と言いながら、はなちゃんを抱き上げた。 はなちゃんは、私が嫉妬しちゃうくらい睦月さんの顔を舐めていて、睦月さんも嬉しそうにされるがままになっていた。 「かんちゃん?」 楽しそうな雰囲気を察したのか、かんちゃんはゆっくりと睦月さんの元へ歩み寄っていた。
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