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「おいおい、色々すっ飛ばすな。朱音がパニクってるぞ」
「間違ったことは言ってないと思いますが」
「お前な、何でも言質取れば良いってもんじゃないんだよ。
もう少し朱音のスピードに合わせろ。
だいたい愛想尽かされるのはお前の方なんだからな、そうなっても知らんぞ、俺は」
「それはいけませんね、気をつけたいのですがわからないので健人から注意してもらえると助かります」
「まだ俺に幼稚園児の恋愛サポートしろって言うのか?」
「はい」
幼稚園児と言われようが清々しい笑顔で答えた冬真に、健人は額に手を当て盛大にため息をついた。
「・・・・・・皆様、そろそろランチはいかがでしょうか」
健人の後ろに立っていたアレクが声をかけると、
「ずっとお前らがいちゃついている間は昼飯待てとアレクに言われてたんだ、急かしに行こうとすれば止められるし!
いい加減早く来い!俺は腹が減った!」
大きな声で健人が言うと朱音の部屋を出て行き、アレクはその後ろに続き会釈をしてドアを閉めた。
思わず冬真と朱音は顔を見合わせ、くすっと笑う。
「行きましょう」
「はい」
冬真が手を差し出し、朱音はパジャマ姿のまま手を握り二人で部屋をる。
「落ち着いたら、二人だけで温泉でも行きましょうか」
広いホールに出ると、冬真が隣にいる朱音を覗き込むように言うと、朱音は驚きそして小さく頷いた。
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