隣の芝生は青くて大変

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日曜日。 季節も春に近づき冬真は朱音をいわゆるデートに誘った。 あの事件処理もあり冬真は報告書の作成やイジーとの報告をトミーにし、通常の仕事もこなす必要もあって土日返上で仕事をしていてた。 そんな冬真を朱音は体調を心配するだけで寂しいなどという言葉は一切言わない。 そういう女性だとわかっていても冬真としてはそういう我が侭も言って欲しいなどと身勝手なことを思い、自分の感情の変化を笑ってしまいつついい加減仕事より朱音との時間が欲しくなった冬真が無理矢理1日時間を空けた。 朱音を誘った時わかりやすいほど嬉しそうになったのに『ここのところ忙しくて休んでないのでせっかくの休み、一人でゆっくりして下さい』と言った朱音に、冬真は内心そういう性格の相手とわかっていても、アレクと健人がいるなら寂しくないのだろうかという焦りを感じてしまった。 そんな焦りを一切みせること無く『朱音と過ごすことが僕には何よりの癒やしなんです』と言えば、朱音は顔を赤くしてこくりと頷いた。
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