隣の芝生は青くて大変

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「キスの仕方をご存じないようなのでレクチャーしましょうか」 腰に手を回し、朱音の頭をそっと自分に引き寄せ深く口づけをする。 それは角度を変え口の奥に入ってきた長い舌が朱音の舌を捉えて絡ませる。朱音はいつになく深い口づけを味わい冬真の腕の中で震えていた。 やっと口が離れて、朱音は小さな口ではぁはぁと必死に息を吸っている。 そんな朱音の頬を手で包む。 「今後一切、僕以外によそ見をしてはいけませんよ」 そういうと、再度深く唇を重ねた。 周囲が呆然とみていることなど朱音は頭が真っ白で気付いていない。 唇を離して朱音を自分に引き寄せれば、朱音の朦朧としている姿に冬真は口の端を上げる。 彼女はわかっていない。 ここまで自分を狂わせる罪深い術をかければその反動はかけた自分に返ってくるのだと言うことを。 「このままホテルも良いですが朱音さんがショートしそうなので仕方がありません、我が家に帰りましょう」 朱音は冬真の言葉も聞こえず胸元でぐったりしたまま。 冬真は満足げに再度朱音を優しく自分に引き寄せ抱きしめ、その額に軽くキスをした。                              END
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