涙雨

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 ああ、良かった。  もう、これで。  りぃが、泣く事は  ガシャンッ、ガンッ、ゴツッ、ゴトンッ。 「しょーちゃん!」  ……あれ。  どうして。  りぃ、が、  泣いているの。 「しょーちゃん。しょーちゃん。やだ、やだ、やだ。しょーちゃん。やだよぅ」 「アア⁉︎ るせぇな! 俺はお前の父親だぞ! んなヤツほっとけ! 帰るぞ、ゴラァ!」 「け、警察ですか⁈ き、救急車もお願いします! ええっと、◯◯丁目の△番地です! 少年が頭から血を流していて……近くに血塗れの男がいて……酒臭くて……と、とにかく、早く来てください!」 「しょーちゃん! やだ、やだ、やだ、おきて、おきて、おきて、お」  世界の全てが、とぷんと暗闇に沈む直前。  大粒の雨みたいな涙が。  僕の顔に、ポタ、ポタリと落ちた。
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