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8 特撮 特殺?
時代映画で主役の武将を演ずる俳優は傲慢極まりなかった。
その俳優の態度に業を煮やした小道具係が、主役の武将と騎馬戦する相手役の武将の小道具を細工した。
撮影が始まり騎馬が対峙した。距離は三十メートル。かけ声とともに二騎の騎馬が走った。
すれちがい様に武将の刀が、主役の武将の首を刎ねた。
首はみごとに宙へ飛んだ。
撮影スタッフの皆が、凄い特撮だ、と思った。馬は首の無い主役の武将を鞍に乗せたままとぼとぼと歩いた。首のない武将が鞍から転げおちた。
いつのまにか首を刎ねた武将が消えていた。
「おい!特撮じゃねえぞ!殺人だ!」
「騎馬武者はどこへ行った!?」
撮影現場は大騒ぎになった。主役の首を刎ねた武将の騎馬はどこにもいなかった。
厩舎に行くと騎馬をした武将役の俳優が倒れていた。
そばに鎧兜と、本物の日本刀があった。
(了)
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