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雨の日だけ、あなたはやってくる。
多分走ってきたんだろう、肩で息をしている。その肩が濡れているのを確認した。
外はきっと雨だ。
少し屈んで、キョロキョロ探している姿が可愛い。
私は思わず前髪を抑えた。
・・・昨日、切りすぎちゃった。
今日雨って分かっていたら、切るときにもっと慎重になったのに。
前髪を気にしていたら、彼と目が合った。
彼の顔がパアッと明るくなる。
大学名の入ったジャージ姿の彼が、私の方に小走りで近付いてくる。
前髪を抑えていた手をパッと下ろす。
「・・・もうすぐ?」
彼の期待に満ちた瞳。
私は肯定の意味を込めて頷いた。
私はそっとエプロンの中からシールを取り出す。
彼の目が更に輝く。
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