雨が降らなくても大丈夫

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「あの.......」 「あぁ、ごめんな。晴空は俺の弟だ」 「弟.......?」 だって吉崎さんの家は2人兄弟でいまはもうお兄さんしかいないって。 弟ってことは晴空くんは.......。 「そんなバカな!!」 あたしはスマホの写真フォルダをスクロールする。 「あたし、ついこの前も会ったんですよ!?晴空くんに!」 写真フォルダに収められた、晴空くんに勝手にとられた写真をお兄さんに見せる。 「.......なんだこれ、晴空じゃなくて高校んときの俺だ」 「え!?」 まさかの反応にスマホを落としそうになる。 「ほら、高校ん時の俺。耳見てよ」 「.......同じピアス」 綺麗だなって思っていた晴空くんのピアス。 「そうだ、晴空.......生きていれば高校生なんだな」 懐かしそうに目を細める。 「つーか、母さん疲れて寝てるわ。ちょっと付き合ってくれる?萌佳ちゃん」 「.......はい」 「こっちきて」 お兄さんについて向かった部屋はたぶん晴空くんの部屋だろう、机には中学の教科書が並んでいた。 「これが晴空」 「髪の毛黒い.......」 あたしが会っていた晴空くんは赤茶色の髪の毛で髪の毛も無造作に流していた。 写真にいる晴空くんはあどけない顔をして、髪の毛も真ん中わけでぺったんこ。
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