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【6月28日】
「体育、体育館になりまーす!」
大きな声で朝イチ叫ぶ。
わいわい、ざわめく
教室の中は
雨の湿気と集団の塊で
圧縮された気圧が重い。
朝からほんと、気が重い。
一時間目からの体育の授業が、
更に、
その重さを増幅させて、
いっそのこと、
一反木綿くらいに薄ーくなって、
くるりとラップしてくれたら、
いいんじゃない?
と、
考えながら、
半袖体操着にジャージを羽織る。
「くそ暑に、ジャージとか、
も、死ねる。」
「体育館なら、
日に焼けないよ?」
「それより、ね、ほら、
姫は昨日のショックから、
立ち直れてない。」
「ホタルのかわいいとこ、
みたよね。」
自分達も長ジャージを
着ながら茶化してくるは、
ゆかりん と 翔子ちゃん。
「昨日の、あれはねー、ワロタ」
「失恋決定なら、いつでも、
おけフォロするよー!」
おけフォロとか、要らんわ。
ただ、歌いたいだけなのは
あんたらだけよ。
ったく、うっせーな。
「ほら、眉間にしわ!」
ガンッ!!
って、ロッカーのドアを
思いっきりしめた。
そうでもしなきゃ、
この手の話題は止まらない。
「わ、こわっ」
誰かが、こぼす。
一瞬、
しーーーんとしたロッカールーム
はい。
それ、正解です。
「みなさま、
授業におくれますわよ?」
姫笑顔で、女子皆々様に
ご挨拶。
なんで、姫か、わからないけど、
私は、
どーやら、姫様扱い。
ま、そのキャラ
存分に
使わせていただいてますけど。
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