ぱらぱら、ぱら。

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「雨だねえ」 「雨だなあ」  私たちは二人そろって教室の窓の(さん)に組んだ腕を乗せながら空を眺める。  雨の昼休みはいつもより教室に人が多い。 「朝はぎりぎり降ってなかったのにね」 「なー、まあ体育のマラソン無くなってよかったけど」 「修也(しゅうや)はマラソン嫌いなの?」 「なんか、途中で飽きてくるんだよな。やっぱ時代はサッカーだよ」  修也の人差し指と中指で作った人が、桟の上を走ってシュートをする。 「サッカーも今日はできないじゃん」 「ふっふっふ、実はフットサルという裏技があるのだよ」 「あーそういう。それは楽しそうね」 「楽しい。もう毎日雨でもいい」 「でも雨だとさ、理科の大橋(おおはし)先生の機嫌悪くない?」 「あーあいつ天パだもんな」    そう言って彼が笑ったので、私は横目でちらりと見る。  少し笑っただけで目が無くなるところが結構好きだった。  
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