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私立、松山学園 中学部
「おはよう!」
校門から入ってきた生徒たちの挨拶を遠くに聞きながら教室に向かう。
「おっは~!瑠奈」
そう言って私に抱き着いてきたのは初等部からの親友、『野崎あゆみ』だ。
私は悪魔なので誰かからつけられたりするとすぐに気づくが、あゆみはそんなことしないから、逃げることはない。ちなみにあゆみは私が悪魔だということを知っている。なぜなら彼女もまた純血ではないが、悪魔だからだ。
でもやはり、私の方が純血なので力は強い。
「おはよう。あゆみ 今日はずいぶんご機嫌だねぇ。何かあったん?」
あゆみは待ってましたと言わんばかりの勢いで機関銃のように話し始めた。
「あのね、うちの学校と姉妹校の桜林学園のダブル王子が昨日街中歩いててね、それだけでびっくりだったのに、帰りに寄ったカフェでノブさまと、玲先輩と美音先輩がお茶してるのを見ちゃったんだーエヘッ」
あーそうだった。あゆみは桜林学園に通う飯山信彦先輩にあこがれてるもんな
私的には玲先輩のほうが好きなんだけどなー
しばらくあゆみとしゃべってたら、急に私が見ている景色が赤く染まった。
赤い下敷きでめを覆われたように。
「瑠奈?どうしたの?」
「悲鳴だ行ってくる」
無茶しないでと叫ぶあゆみの声をよそに私は走り出した。さっきの会話は高貴な血筋の悪魔にしかわからない言語なので他人には内容がばれていないはず
あーあ一番最初のページで『お節介以外あまり他人は助けない』と言ったのはどこの誰だよまったく。
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