ランドセル(後半)

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それが僕の見た康介の最後の姿だった。 叔母の家に向かう途中で 車との交通事故に遭った。 通い慣れた道とはいえ、 ひとりで行かせてしまったことを 母は深く反省していた。 それに関しては、僕も同じ気持ちだった。 もしも僕がそばに居たら いくらかは衝撃から 守ってあげられたかもしれない。 「僕も連れて行って」と 我儘を伝えることができたら、 「よし、行こうか」と 快く引き受けてくれたと思う。 彼は本当に優しい子だった。 僕は康介のパートナーになれたことを 心の底から感謝している。 卒業よりも早く別れが来てしまうだなんて 思ってもみなかったが、 僕らの消えない思い出として 冒険記が残されている。 冒険記の最後の言葉を 僕からも彼に送りたいと思う。 「6年間、一緒に過ごしてくれて どうもありがとう」
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