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それが僕の見た康介の最後の姿だった。
叔母の家に向かう途中で
車との交通事故に遭った。
通い慣れた道とはいえ、
ひとりで行かせてしまったことを
母は深く反省していた。
それに関しては、僕も同じ気持ちだった。
もしも僕がそばに居たら
いくらかは衝撃から
守ってあげられたかもしれない。
「僕も連れて行って」と
我儘を伝えることができたら、
「よし、行こうか」と
快く引き受けてくれたと思う。
彼は本当に優しい子だった。
僕は康介のパートナーになれたことを
心の底から感謝している。
卒業よりも早く別れが来てしまうだなんて
思ってもみなかったが、
僕らの消えない思い出として
冒険記が残されている。
冒険記の最後の言葉を
僕からも彼に送りたいと思う。
「6年間、一緒に過ごしてくれて
どうもありがとう」
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