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下山した後の帰り道は、考え事するのにはとても良いとされている、川沿いの穏やかな道を歩いて、疎水のレンガのアーチ橋を抜けて地下鉄の駅まで歩いた。
ちょうど、アカノ先生とヒメノ先生が話しているのが聞こえた。
アカノ先生が、
「ちょっと、ヒメノ、あれ誰なの?」
と言うと、ヒメノ先生は、
「あれって誰のこと?」
と尋ねていた。
「ホラ、あの田崎さん?
結構男前だよね!!」
ヒメノ先生はすごく驚いた表情で、アカノ先生の顔を覗き込んでいた。
「あれ?
あんた、あんなマッシブな人好きだったっけ?」
「い、いや、なんかあんなにごつい身体してるのに、なんだか優しそうだしさ。」
アカノ先生、顔が心なしか少し赤い。
これって・・。
「へぇ、あんたがねぇ・・。」
そんな会話を聞きながら、これはもう、あの時のような修羅場に発展することはないのかもしれないと、ちょっと思った。
それに、ちょっと斜めに捉えた目線だけど、
アカノ先生は、どちらかと言うと、ムツキ先生と言うよりも、ヒメノ先生の好きなものを好きになるのかもとも思っていたんだけど、今回はちょっと違うのかも知れない。
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