第3話

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 今回は曲の説明もなく、あえて始めた。 なんの説明もなく、いつもの私たちの曲想ではない『音』を、サプライズで楽しんでもらうためのあえての演出だ。 ユウカの唇から発せられた破裂音が、フルートに流れ込んで擬似的なスネア的な音を発した。 いわゆるボイスパーカッションだ。 エアリード楽器であるフルートだからこそ出来る奏法だ。 それに続いて、アマネちゃんの44鍵がメロディを奏でている。 アキさんの今日のチェロは、サイレントチェロで、それをアンプとスピーカーをつないで、まるでベースのようにピッツィカートをかき鳴らし、そこにハザクラくんのオーボエ伴奏が入り、私がアマネちゃんよりメロディを受け継いだ。 あ、少し前にも聞いてもらった事を補足するね。 リード楽器と言うと、葦を削ったものを音源にするんだけど、リードが1枚ならシングルリード楽器と言ってクラリネットやサックスがそれに当たるんだけど、リードを二枚重ねて音源とするものはダブルリード楽器と言ってオーボエやファゴットがある。 ちなみに、フルートはエアリード楽器とも呼ばれているよ。 サックスやフルートは金属部分が多いけど、これらは全部木管楽器なんだよ。
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