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それから、演奏後の私たちには、出演料の代わりとして、天かすと青のりとソースとマヨネーズがたっぷりかかったタコせんべいと、綿菓子と炭酸ジュースが用意された。
控え室で楽器を片付けて、みんなで
『おつかれさま~!!』
って言って、私は、
「ヒメノ先生、私たち頑張ったから、きっとご褒美もらえますよね?
楽しみにしていますね!」
なんて言いながら、炭酸ジュースを飲んでいたときの事だった。
ハザクラくんはアマネちゃんのとなりに座り、少し俯き加減に、
「あの、星野天音さん、今日もありがとう。
僕さ、こんな時に言ってしまうのもなんだけど・・
僕さ、星野さんの音が好きなんだよね。」
と言ったのだった。
「あ、うん。
私もハザクラくんのオーボエの音が好きだよ。」
そう言って、屈託なく笑うアマネちゃんだった。
「あ、うん。
でも、僕の好きなのは、ピアニカの星野さんもだけど、ピアニカの星野さんじゃない星野さんも好きなんだ。」
そう言って、ハザクラくんは顔を真っ赤にしていた。
ハザクラくん・・
アマネちゃんが好きだったんだ・・。
「あ、うん。
私も、ハザクラくんが好きだよ。
音合わせしていると、凄く気持ちいいよ。」
そう言ったアマネちゃんも、まんざらではない様子だ。
って、いつからふたりはお互いを想っていたんだろう・・。
「え、ほんと?
じゃ、じゃあさ、僕と付き合ってくれる?」
そう言って、さらに顔を真っ赤にするハザクラくんは、期待を込めた視線でアマネちゃんを見ていた。
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