第4話

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 その異変は、勧業館の演奏会の数日後の出来事だった。 朝、リンコの携帯にメッセージを送ったのに、お昼になってもスルーされ、同じクラスなのに、リンコは誰にも会わないようにして、授業中には、ぼーっと窓の外を見て、休み時間には誰にも会わないようにするかのように、隅っこで塞ぎ込んでいた。 ・・何よりも、リンコの部活中の音が違う・・。 キレイだし、テクニックにも問題はなかった。 ただ、演奏が機械的で、いつもの優しい音がなく、ひどく雑だった。 まさか・・ とは思っていた・・。 ・・でも、そのまさかかも知れない。 ともその時に思った。
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